ひとりの路が 暮れてきた

等高線の隙間を縫って
谷間の底からコンニチハ

遠かりし





おのれの不甲斐なさを

ただ、ただ、渓底に刻み付けて


夏が終わった。



早出川杉川

自ら以て由と為さん




同人会の月例集会があった。


久しぶりに話をしたいひとと話せて良かった。


来月の遠征のルートに関するやりとりの中で

自分の中で確信に近いものが改めて浮かび上がってきている。


渓に入ろう、と志したときの原点みたいな思いがあって、ようやく迷いにも似た霞が

晴れてきているようだ。





旅の手段として遡行という方法を選ぶ。

行動を継続するために採取を行う。



遡行と採取を両立するための試みを、今年は重ねてみようと思い新たにした。



それが何か特別な事ではなく

生活するように遡り、生活するように旅を繋ぐことができれば


たぶんもっと、近づくことができるのだろう。

鹿鳴と闇と六根清浄

2017年7月16日~17日


北山川水系 白川又 本谷(奥剣又)



『天女花』の峰へ


中流部は磨き抜かれた清冽な湧水が滾々とそそぐ。
が、身を切るような冷たさも、Co717の先で大滝を巻き越えると
徐々に緩む。




水晶谷手前のゴルジュのさなかで幕を張る。



風は穏やかに渓を上から下に流れる順風。
哀愁をおびた鹿鳴をのせて
煙と共にたゆたう。



じわじわと体力を削る遡行が続く。



喘ぐような登高の末
上り詰めた稜線は幽玄の大峰そのもの。




乳白の闇を下山する。


濃い霧が六根を包む。