ひとりの路が 暮れてきた

等高線の隙間を縫って
谷間の底からコンニチハ

鹿鳴と闇と六根清浄

2017年7月16日~17日


北山川水系 白川又 本谷(奥剣又)



『天女花』の峰へ


中流部は磨き抜かれた清冽な湧水が滾々とそそぐ。
が、身を切るような冷たさも、Co717の先で大滝を巻き越えると
徐々に緩む。




水晶谷手前のゴルジュのさなかで幕を張る。



風は穏やかに渓を上から下に流れる順風。
哀愁をおびた鹿鳴をのせて
煙と共にたゆたう。



じわじわと体力を削る遡行が続く。



喘ぐような登高の末
上り詰めた稜線は幽玄の大峰そのもの。




乳白の闇を下山する。


濃い霧が六根を包む。





滴翠

梅雨の長雨

は、既に過去の話なんだろうか。


はいえ

大台ヶ原は日本有数の多雨地帯


翠はしたたるほどに潤いを帯びている




ミネコシをすぎ、次のシャクナゲ平から尾根を絡みつつミネコシ谷を降る。



ヒラタケ




幾つかの滝を懸垂下降も交えて





甘いさくらんぼの差し入れが嬉しい。

米田さん、ありがとうございます。




三時間半で堂倉谷本流に出る。






砂防堰堤を巻き上がり少し行った右股出合の河原で大休止


右股





遡行中、40m滝手前から

雷鳴が空に響き始める。





30分ほどで巻き上がると

それを合図にするように雨が。

雷鳴は遠ざかったが

入れ替わるように。


遥か頭上を覆う木々に遮られ

谷底まではあまり落ちてこない。


斜度を増した谷を水枯れまでつめ

低い笹の繁る尾根に乗り換えて

文字通り、あえぎ登る。




正木ヶ原と日出ヶ岳分岐に程近い稜線に飛び出した。




雨は既に小康だが

濃霧。


幽玄。





前夜、泊地で先輩の話をいろいろ聞いていた。




あらためて

自分は、自分のやりたいと思うことに

もっと素直であろう。


と思った。

おわりのはじりの、そのむこうにゆく前に

寝入るまでベッドで横になってる時間を含めて、最低六時間は「睡眠時間」にせねば

イライラする。


眠る前の散らかった思考を

一つづつ 箸でつまみ上げるように

いじっている時間が好きだ。



瞼は、あれは

下に閉じるものではないようだ。


裏の田んぼで

カエルと、あれは、鴫かな。


富山に住みたいな、と

ふと、思う。


おおかみこどもの あめとゆき

というアニメがあった。


春先、まだ雪の融けきってない時季に

あの家に行った。


そこでどんな暮らしを営めるだろうと

妙に真剣に考えながら

広い母屋をうろうろした。